Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
彼抑も何が為に余に先んじてポール・レペル先生を尋ねたか、果たして顔形を得る為とすれば何が為に其の顔形を要し、何が為に其の復写を作らせたのであるか、或いは彼、秀子を余に取られた悔しさに、其の顔形を以て秀子をおびやかす積りかも知れぬ、爾だ、何うせ爾とより外は思われぬ、若し其の様な心とすれば、彼と余との間に於いて秀子の問題を決着させねば成らぬ、孰れにしても逢って話せば分る事だ。
愈々権田時介の住居の前に着いたのは夜の十時頃である、雨も蕭々と降って居て、町の様も静かであるのに、唯不思議なは、何者だか権田が家の入口に立ち、探偵又は盗賊など総て忍びの職業をする者が用うる様な忍び提灯を高く差し附け門札の文字を読んで居る、爾して余の近づく足音に、其の者は直ちに提灯を消し、コソコソと暗の中へ隠れて了った、何者であるか更に想像は附かぬけれど確かに帽子を眉深に冠り、目には大きな目鏡を掛けて居た様に思われる、通例の人ではなく、他人に認められるを厭う人だと云う事は是だけで分って居る。
併し余は自分の身に疚しい所がないから、敢えて恐れぬ、深く詮索の必要が有ろうとも思わぬ、縦しや有った