Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
時私は輪田の姓を名乗って居て好かったと思いました、若し丸部春子と云う名前で此の様な嫌疑を受ければ、昔から汚れた事のない丸部一家の名を、私に至って初めて汚し先祖に対しても父上に対しても申し訳のない所でした、けれど牢に入った其の時から何う有ってももう一度此の世に出ねば成らぬ、出た上で此の罪が自分でない事を知らせ、爾して母上の遺命を果たさねば成らぬと固く心に誓いました」
此の様な深い仔細の有る女と誰が思いも寄ろう者ぞ、「其の後漸く牢からは出ましたけれど、愈々此の身の潔白を知らせる事が出来るや否や覚束なく、幾度か絶望して、迚も念願が届かぬ様なら寧そ輪田夏子の儘で、汚名を被せられた儘で、終わったが好かったのにと思いました、若し此の汚名が晴れぬ間は、ハイ其の誠の罪人を探し出し、全く輪田夏子は無実の罪で刑せられたと誰に向かっても明らかに言い切る事の出来る様に成らぬ間は、決して此の身の素性を知らせては成らず、縦しや父上に逢ったとて母の遺言を果たす事が出来ぬもの、此の身は自分の姓名でない姓名の下に生涯を送らねば成らぬ者と、斯う思い定めました、それが為に、父上をも世間の人をも欺かねば成らぬ