Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
様に仕向けよと、私が無理に約束を結ばせました、けれど今は到底二人を引き離す事の出来ぬのを曉りました、ハイ道九郎君が何れほど辛い想いをして何れほど正直に其の約束を守ったかを考えれば私とてもそれに劣らぬ辛い想いに堪え得る事を示さねば成りません、サア道九郎君、嬢は全く貴方の外に嬢の所天たる可き人はないのです、約束は消滅しました」と云って嬢と余の手を握り合わさせた、余は嬉しさに夢中と為り何時の間に権田が立ち去ったか知らなんだ。
此の上の事は話すに及ばぬ、幽霊塔の話は是で終わった、後は唯其の後の成り行きを摘んで記そう。
虎井夫人は又此の家へ、帰って来ると云わぬ許りに狐猿を後に残し、人に油断をさせて置いて立ち去ったまま帰って来ぬ、森主水の探った所では自分の弟穴川甚蔵の許へ逃げて行き、甚蔵及び彼の医学士大場連斎と共に、濠洲へ出奔したらしいとの事、兎に角養蟲園はガラ空で、彼の幾百千とも数知れぬ蜘蛛が巣を張るのみである。狐猿は今千艸屋に飼われて居る、浦原お浦は米国へ行き女役者の群に入り何所か西部の村々を打ち廻って居る相だ、天然に狂言の旨い