Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
第十二回 化けるのがお上手
のは、随分世間に在る形だ、三人は烟に捲かれた心持で、電燈の光まばゆき廊下を通り、笑い動揺めく声が波の様に聞えて居る大広間へ這入ろうとすると、此の時満堂の電燈が一時に消えて全く暗の世界となった、余も叔父も驚けばお浦も「アレー」と叫んだが主夫人は暗の中で説明し「ナニお驚くに及びませんよ、是が手品の前置きですよ、丁度パノラマへ這入る前にお客の目を暗まして置いて夫から大変な者を見せるのと同じ事です」とて、探りに探りに三人を大広間へ入れたが暫くすると堂の中が少しずつ明るくなり、正面の青白い幕へ、幻燈の画の様に、美人の姿が現われて動き始めた、尤も此の美人は背の高さが僅かに二尺位だから本統の美人で無く、幻燈の影であるに極って居る、所が篤と見て居る中に其の影が段々大きくなり、遂に本統の美人と為って、嫣然と一笑したが、読者よ、何うであろう、其の美人は擬う方も無い松谷秀子であった、余も叔父も逢い度いと思って居た怪美人だ、成るほど客の中から一人籖に中り手品の種に使われる事に成ったを今主夫人の云ったのが此の才媛で有ったと見える。
第十二回 化ける