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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

夫に最も夕刻だから大した明りは射さぬ。何処に其の寝台が有るか、此の上の時計の裏へは何して登られるかと、静かに透す様にして室の中を見て居ると、一方の隅で、人の着物を引き摺る様な音がする、其の中に眼も幾分か暗さに慣れたか、其の音の方に当り薄々と寝台の様な物も見える。

すると其の寝台の上に、何だか人の姿が有って起き直る有様が殆ど伝説の通りで在る、此の様な時には暗いのが何より不利益(幽霊にとっては利益かも知らぬが)だから余は窓の方へ寄り、最一度盲戸を今度は力一杯に推して見た、未だ盲戸は仲々開かぬに、怪しい姿はソロソロと寝台を下り、余の傍へ寄って来るが併し足音のする所を見ると幽霊では無さ相だ、けれど幽霊よりも却って薄気味が悪い。余は猶も力を込めて戸を推したが、メリメリと蝶番が毀れて戸は下の屋根へ落ち、室の中が一時に明るく成った、とは云え夕明りで有るから昼間ほどには行かぬが幽霊の正体を見届けるには充分で有る。

「能く其の戸が脱れましたよ、私しも開け度いと思い、推して見ましたけれど女の力には合いませんでしたが」

之が幽霊の発した初めての声で音楽の様に麗しい、余は荒々しく問い詰める