Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
恐れはない、別に異様な顔ではないけれど、妙に妙に、ノッペリして、宛かも女子供に大騒ぎせられる俳優の顔とでも云い相だ、何となく滑らかで、何となく厭らしい、美男子は美男子だが余は好まぬ、恐らくは秀子とても決して好みはすまい、此の人は余と顔を合わせて宛も挨拶でも仕たそうに見えた、併し余が余り怪しむ顔をして居た為か思い直した様子で、徐々と立ち去り掛けた、何所へ立ち去る積りであろう、余は何うも見届けねば、気が済まぬ。夫とはなく見送って居ると、余が来た通りの道を取り土堤から生垣の外へ降り、頓て姿が隠れて了った、余は其の間に走って生垣の所へ行くと、先は後をも見ずに、何事をか考え考え外へ出る、是ならば振り向く気遣いもなかろうと余は猶も尾けて行ったが、或いは尾けられると知って故と背後を向かぬかも知れぬ、何うも爾らしい、爾して到頭彼の鳥巣庵へ這入って仕舞った、扨は是が鳥巣庵の主人かな、縦しや主人ではなくとも、夏子の墓の辺に徘徊する所を見ると何か一種の目的が有ってではなかろうか、鳥巣庵の窓から余を瞰いて居た女の影と云い、鳥巣庵が急に塞った所と云い、それこれを考え合わすと何だか偶然ではなさそうにも思われる。