Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.482 Zeichen · 160 Bildschirme

Aozora Bunko

さがしてると俥夫、旦那、何ですか頭のこう禿げた変な旦那、さがしてらっしゃるんじゃありませんか?

――うん、そうだが、君知ってるのかい。

――ええ、たった今待合へお伴したところです。

――何だ、そんなところか、じゃすぐつれてってくれ。

行って見ると、宇野座敷でのたうちまわって居る。

――おい、どうしたんだ、何してるんだ。

――いや腹がすいてたまらないんだよ。それでここへ食いに上ったんだが、くわさん。

下へおりて来て(永瀬)あの男は一寸病気なんで、何でもありさえすればいいんだからとたのんで上って来て見ると、床の間にきれいな薔薇が生けてあった。その前へ行って両手でその美しいバラを食って居た。

(宇野よ! 宇野よ。)

それからもう一つ。

情人が富士見町にある。宇野ははにかみやで、手をにぎらず、接吻せず、抱擁せぬ。箱根へ行って、かえりにその女と来て、桜木町の家の手前で下りる。

じゃ私失礼するわ、

女が自動車をおりかけると、宇野何も云わず女の手をぎゅっと握った。女、五年間そんな事をされた覚ない故、万感交々で、涙が出そうになった。すると、いきなり宇野は、その白いきれいな女の手をかじり出した。