Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.953 Zeichen · 124 Bildschirme
九月三十日
十月一日
自分は泣くまいと思っても泣けて泣けて涙が押えようもなかった。自分は、そんならばと云っていこじになる気はない。けれども……理解が或程度まででその程度に自任し自足するのは恐ろしい。丁度例の病気の最中だったので、ひどく刺激され、夜、眠ろうとしても眠られず、ヒステリー的な発作を起した。
私共母娘は恐ろしい因縁によって生れたのだ。
彼女は自分を愛す。自分も彼女を愛す。しかし彼女は、Aと一緒にある自分は愛のままに愛されないのは、どうしてだろう。
自分は、切実に、親の恐ろしさを覚えた。
親になることは、恐ろしい。親になって、あれ丈自分も苦しみ、子を徒に苦しめるのは、恐ろしい。
九月三十日(金曜)
わびしい天気。眼が重く腫れ、心が淋しい。思うと涙が出る。
一日、夕食まで床に居る。非常に体と心との疲れを覚えた。
十月一日(土曜)
国男さんが来、夕飯を一緒に食べ、トランプをし、散歩でもしようかと云って居る処へ高垣氏が来られた。十時過まで話し、かえりに停留所まで送って行く。
今日、午後雨がはれたので、九段までべに雀と巣とを買いに行った。
先に行ったときは、笑顔一つ見せず、しぼみ、冷やかだった老女が、愛素よく笑い話をするので快く思い、面白く、さながらなれない小鳥がすね、危み、敵視し合うのが、やがてなれて来たような気がした。