Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
二十三
自分を人間にしてくれたものは、このまんじゅうであると、平常、暇があれば、あの葛屋という菓子舗へ行き、薪を割り、箒を持ち、水汲みの手伝いなどまでしておるそうですから、それをご隠居さまがお好きなことなど、菓子舗の亭主から聞いていたものでございましょう」
二十三
終始、老公は感動のうちに聞いていた。その勘太は、まんじゅうをこれへ届けると、すぐ立ち帰ったのか、とある老公の訊ねに、
「いえ、まだお台所の外におりましょう」
と、介三郎は答えた。
「こよいは、大ぜい様のお集まり、何かのご用もありましょう、ぜひ手伝わしてくれいと申し、お台所の外に佇んでおりましたが」
聞くと老公はすぐ、
「呼べ。これへ呼べ」
と、かさねていった。
鹿野文八が出て行った。まもなく庭面のほうに恟々した人影が立った。勘太は、貴人に対する礼を知らない。文八に教えられて、いわれるままに地へ坐った。
老公は自身、縁がわまで出て、縁柱へ背を倚せて坐った。そして、杯をさしまねき、
「勘太にも、一献与えよ」
と、いった。
人々は、かれの光栄を、かれの身になって歓び合った。ところが勘太は、強って、お杯を辞退した。