Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
かくして、事件は遂に未解決のまま終るのではないかとさえ思われました。
しかし、以上は表面上の事実に過ぎないので、その裏面には更に一層不可解な事柄が起っていたのでした。
お話は元に戻って、事件の翌日、湖畔亭の取調べのあった、その夜のことになりますが、たとえ一時発覚を免れたとはいえ、私はどうにも覗き眼鏡のことが気になって仕様がないものですから、夜の内にその装置を取り毀してしまうつもりで、いらいらしながら人々の寝鎮まるのを待っていました。
警察の人々が浴場の周囲を取調べた時、私はどんなにヒヤヒヤさせられた事でありましょう。樹木のために蔽われていても、屋根の下へ入って見上げさえすれば、その鼠色の筒は、必ず疑いを惹いたに相違ないのです。ところが私にとって幸であったことには、刑事達は何かが落ちていないか、足跡でもついてはいないかと、地面ばかり見廻って、上の方には一向注意を払わなかったものですから、この不思議な装置は、危く発覚を免れることが出来た訳でした。
しかし、明日にもなれば、又一層綿密な調査が行われることでしょうし、いついつまでも、このままに済むはずはありません。