Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
「顔を見ましたか」
「どうしても分らないのです。まだその辺にうろうろしているかも知れません。一寸出て見ませんか」
「君は前の街道の方へ出たのですか」
「そうです。外に逃げ道はありませんからね」
「じゃ、今から行って見ても無駄でしょうよ。曲者は街道の方へ逃げる筈はありませんから」
河野は意味あり気にいうのです。
「どうして分ります。君は何か知っているのですね」
私は思わず不審を打ちました。
「エエ、実はある点まで範囲をせばめることが出来たのです。もう少しです。もう少しですっかり分ります」
河野はいかにも自信のある様な口調でいいます。
「範囲をせばめたというのは」
「今度の事件の犯人は、決して外から来たものでないということです」
「というと、宿の人の中に犯人がいるとでも……」
「まあそうですね。宿の者だとすると、森から裏口へ廻ることが出来ますから、街道の方なんかへは逃げないと思うのです」
「どうしてそんなことが分りました。それは一体誰です。主人ですか、傭人ですか」
「もう少しですから待って下さい。僕は今朝からそのことで夢中になっていたのです。そして、大体目星をつけることが出来ました。