Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
「実はつまらないいたずらをしていたのです」
私はせっぱ詰ってこんな風に初めました。打開ける位なら河野の口からでなく、私自身で、せめて婉曲に話したく思ったのです。
「この宿の湯殿の脱衣場に妙な仕掛を作ったのです。鏡とレンズの作用で、私の部屋からそこが覗ける様にしたのです。別に悪意があった訳ではありません。余りひまだものですから、学校で習ったレンズの理窟を一寸応用して見たまでなのです」
そんな風に、なるべく私の変態的な嗜好などには触れないで、あっさりと説明したのです。巡査は余り突飛な事柄なので、一寸腑におちぬ様子でしたが、繰返して説明する内に、話の筋だけは悟ることが出来ました。
「そういう訳で、大切な時間のことなどを、今までかくしていたのは、誠に申訳ありませんが、最初のお調べの時、ついいいそびれてしまったものですから、それに一つは、そんな変てこな仕掛けをしていたために、ひょっとして私が犯罪に関係のある様に誤解でもされては困ると思ったのです。しかし、今の河野君のお話では、もう犯人も分ったというのですから、その心配はありません。何でしたらあとで実物をお目にかけてもいいのです」