Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
顔をおさえている指のあいだから、タラタラと赤い血の筋……
「あ痛ッ……」
と片手さぐりに河原の水音をたどっていった竹童、岩と岩との間から首をのばして、ザアッと流れる水の瀬で血汐をあらい、顔をひやし、そして目や髪の毛のあいだに刺さッた針を一本ずつ抜いてはまた目を洗っていた。
そのあいだに――以前の場所の楊柳のこずえから、ヒラリと飛びおりたひとりの女がある。
女といってもお婆さんだ。修道士の服をかぶった蚕婆――。
くろい頭巾の中から、梟のような目をギョロリとさせて、柳がくれに遠去かる三つの網代笠を見おくっていたが、やがてウムとひとりでうなずいた。
いつか河原は暮れている――
青いぶきみな妖星が、四条の水にうつりだした。
伊勢路に戦のあるせいか、日が沈んだのちまでも東の空だけはほの赤い。
「あいつだ! たしかにあいつにちがいない!」
こうさけんだ蚕婆、妖霊星をグッとにらんで、しばらく首をかしげていたが、まもなく、黒い蝶々が飛ぶように、そこからヒラヒラと走りだした。
南蛮寺百鬼夜行
一
空にはうつくしい金剛雲、朱雀のはらには、観世水の小流れが、ゆるい波紋をながしている。