Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「逃げてゆくなんていやなこった、小太郎山をとられるものなら、おいらも砦と一しょに斬り死する! どうして、そ、そんなことをいって、民部さまに会われるもんか」

「アア、この場合、そんなことをいって、わたしをこまらさないでおくれ、ネ、竹童さん」

「イヤだ! 落ちてゆくなら、おまえひとりで逃げてゆきな」

「ま、なにか考えちがいをしていますね」

「なぜ」

「落ちるといってもけっして卑怯でも不義でもない。かえって、砦を枕にして斬り死するより、立派なつとめをはたすんです。ここでふたりが一しょに最期をとげてしまったら、だれが、この事情を一党の方にしらせますか」

「でも……おいらは、そんな役目は好きじゃない」

「こうしている一刻が大事、たのむから、はやくクロを飛ばして」

「よし、おいらはすぐにまた帰ってくる」

「えッ、じゃ落ちてくれますか」

「クロを飛ばしていくなら一羽ばたきだ。一党の人を見つけたら、おいらはすぐに帰ってくる。咲耶子さま」

「エ? ……」

「それまで、樺の奥へかくれこんで、敵のやつに見つからないように」

「あ、大丈夫、死にはしません」

「きっとだぜ!」

「アア」

「きっとだぜ」

「エエ」