Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

と、声をひそめた。

蛾次郎はグビリと頬張っていたあんころをのみくだして、

「へ?」

と、ほかにも用があるのかというような顔をした。

「おまえはたしか、石投げの名人だったな。ほかのことにかけては、ドジでも、つぶてを打たすと、すばらしく上手だった」

「親方あ――」と、蛾次郎は、卜斎の顔をゆびさして笑いながら、

「いまごろになって、あんなことをいってら。裾野にいたじぶん釜無川の下で、毎日おいらが捕ってきて親方に食べさせた、あの鮠だの岩魚だのは、みんな、石でピューッとやって捕ったんですぜ。ねエ、親方、河原の小石をこう持つでしょう、こう指のあいだにはさんでネ、魚のやつが、白い腹をチラリと見せたところをねらって、スポーンと食らわしてやるんです。どんな速い魚だって蛾次さんの石からそれたことはありませんよ。こんど親方にもその秘伝を教えてやろうか。ところが、どうして、その石の持ち方が、あれでもなかなかむずかしいんでね、だから、だれだかいいましたよ、蛾次は石投げの天才だってね」

「もういい、もういい」

と、卜斎は手をふって、

「わかったよ、わかったよ。まったくおまえは石投げの天才だ」