Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
地下室
まるで気でもちがったようです。しかし、かれが入り口のところへかけつけたときには、ドアがひとりで動くように、大きな音をたてて、しまってしまいました。
黒川記者はそのとき、「ちくしょうッ。」とさけんで、まるで、だれかに、つきとばされたように、ヨロヨロとあとじさりましたが、なぜかまだ両手を前にだしたまま、何かをつかもうとしています。
見ると、かれの目の前の空間を、一枚の白い紙が、ヒラヒラと舞いおちていました。黒川記者はそれがゆかにおちるまでに、両手でつかみとって、じっと見ていましたが、また「ちくしょう。」とつぶやきながら、テーブルのところにたちもどり、島田君のおとうさんの前に、その紙きれをおきました。それには、鉛筆の大きな字で、こう書いてありました。
おまえたちが、いま話していたものを、あすの晩、もらいにくる。時間は九時ときめておく。空気男
黒川君、いい名をつけてくれてありがとうよ。
地下室
島田少年と、島田君のおとうさんと、黒川記者は、その紙きれの、おそろしい文句を読んで、ただ、青ざめた顔を見あわせるばかりでした。もう日がくれて、室内はまっくらになっていました。