Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とらのきば

虎の牙/透明怪人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme

Aozora Bunko

黒いすきまが、みるみる大きくなっていきます。

いまにも、あの猛虎が飛びこんでくるのかと、死のものぐるいのかくごをしていると、そこへヒョイと顔を出したのは、虎ではなくて、例のあやしい白ひげのじいさんでした。

老人は、うしろ手に、戸をしめて、ベッドのほうへ近づいて来ました。一方の手に銀色のぼんを持っています。

「やあ、たいくつかね。オレンジエードのあついのを持って来たよ。こいつを一ぱいグッとやって、それから、ゆっくり寝るがいい。あすはきみを、びっくりさせることがあるんだからね。」

小林君は、いまのおそろしさで、のどがかわいていたものですから、なんの考えもなく、そのあついコップを受けとると、ゴクゴクと、一息にのみほしてしまいました。

「よし、よし、それできみは、こん夜よくねむれるだろう。さあ、ベッドにはいりなさい。」

「おじいさん、この部屋のドアは、かぎがかからないのですか。」

小林君がたずねますと、じいさんはゲラゲラ笑いだして、

「虎がこわいんだね。少年名探偵ともあろうものが、虎なんぞにおびえて、どうするんだ。なあに、ちっともこわがることはないよ。あれは番人さ。