Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

伸子は、そろそろ父の頭のマッサージを終りかけた。

「結局和一郎さんたちはどういうことになるの? 一緒につれておかえりになるつもり?」

「あの連中は、暫くのこして見ようと思う。幸、多計代の健康が思ったよりいいからね」

「ここへ?」

「おれの考えではイギリスの方がいいと思う。――伸子はどうする」

「わたし?」

思いもかけない自然さで質問が大飛躍したのに伸子はあわて、上気した。伸子は一所懸命なひと息の云いかたで答えた。

「わたしは、お父様たちがこっちにいらっしゃる間はこっちにいて、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ帰ります」

これは、ふた月まえにモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)を出て来るときから、この質問がおこったときのただ一つの答えとして、伸子の心にかたくしまわれていた言葉だった。

泰造は、かたずをのんだような伸子の語調に格別注意をはらわず、

「やっぱりモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)がいいかい?」

あっさり、自分の知らない土地についての意見をきくように訊ねた。

「それは、ちがうわ。こっちへ来てみると、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)がどんなに新しい社会かということが一つ一つ身にしみてわかります――女の生活なんか、社会にもっている保証の程度がまるで違うんですもの」