Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

二人の女のどちらへともなく云った。

「あすこの市長は去年の選挙でドリオという共産党員になって、七月と十一月の革命記念日にはサン・ドニの市庁に赤旗があがりますよ」

翌朝、伸子と素子とが起きたとき、蜂谷良作は、向いの室で、ちゃんと身仕度をすまして待っていた。朝のコーヒーを三人でのんで、蜂谷は帰って行った。伸子の手帳に彼のクラマールの住所を書きのこして。

第二章

一

ロンドンにいた四十日の間に、ヨーロッパの夏が秋の季節にうつって行ったばかりでなく、伸子の身のまわりの事情もあれやこれやと変った。

八月十三日の朝、アミアンの飛行場から飛びたった真白い旅客機は、二十四人の客をのせて、パリから北へとんで、カレーとドーヴァの間で英仏海峡を越した。海峡の上はひどい霧だった。気流もわるかった。真白い飛行機は灰色の濃い霧の渦の中で、エレヴェータァが三階から地階まで落ちるときのような気味わるい無抵抗さで沈み、次の瞬間には、同じ高さを浮き上った。ピッチングのひどいとき船にのっているよりも、はるかにわるかった。

素子は伸子より早く酔いはじめて、青黄色い顔色になっては、そなえつけの紙袋に顔をつっこんだ。