Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
その折目は、いつもはどんなに注意ぶかく、その半ズボン服がしまいこまれているかということを告げた。その人々の生活には、子供用の服ダンスなどというものはないこと。畳んだ服はトランクに入れられて、兄から弟へ、姉から妹へとゆずられていることなどを語るのだった。インディアン・サマアとよばれる夏の終りの明るく暑い日曜日の午後でも、ヴィクトーリア公園の明るさには払いきれない人生のかげりと、隈と、たまにしか入浴させられない子供たちの体の匂いがあった。そこの散歩道をねり歩いている大人や子供の鼻のまわりや口のすみには、いくらシャボンで洗ってもおちない、うすぐろさがあるように。
バスで三十分も乗ってゆくと、伸子の目には全くちがった光景が展開された。笛をふいているピイタア・パンの銅像のあるハイド・パークの一隅から、のどかそうにボートの浮んでいるテームズ河がひろびろと見えた。そのあたりには、英国の血色と言われている、あざやかな顔色と金髪をもってすらりと背の高い若い男女の夏衣裳だの、桃色や白の子供服が楽しそうに動いていた。大公園の中でも伸子たちのいるホテルに近い一廓はケンシントン公園とよばれて、きれいな芝生の上に、華やかな縞の日除傘をひろげた喫茶店があった。