Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
そういう西の色彩、声、動き、習慣のすべてはゴールスワージーの小説の舞台であり、バーナード・ショウの皮肉の本質にそういうものがあるように、自己満足があるのだった。西の人たちは、ロンドンに、自分たちとまったく外見まで違うイギリス人の大群がいることを、至極当然としているらしかった。伸子は、しかし、資本主義がひき出したこれらの二つの人種をあるままに見くらべて驚歎し、やがては奥歯をかみしめるような思いにおかれた。赤坊のときからもうふけはじめて、それなり育ちがとまったような人間の大群。紫外線の不足とよくない食物のために、こまかいふきでものを出している顔色のよくない両肩の落ちた若い男女の大群集。夕刻のラッシュ・アワに、こういう男女の大群集が数万の眼をもつ無言の黒い流れとなって、地下鉄のエスカレータアに運ばれ、自働的に上ったり下ったりしている光景は、緩慢で大規模な屠殺場のようだった。
伸子は、ケンシントンのホテルの五階に、寄宿舎の一人部屋のような狭い室をもっていた。その室の一つの窓は、ケンシントン・ガーデンの芝生を見下した。夕方になると柵のしめられるその公園は、夜じゅうしずかで、ときたま、ねぐらのなかで何かにおどろかされた鳩のつよい羽音などがきこえて来る。