Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
身なりも気のきいた中年の粋な組が多かった。
運転して来た自動車に鍵をかけ、それをズボンのポケットにしまいながら、わきに立って待っているつれの女のひとの肱を軽くとってレストランのなかへ入ってゆく男の物馴れた仕草などを眺めていて、伸子は、
「蜂谷さん、大丈夫?」
と、いたずらっ子らしく笑った。
「少し、柄にないところなんじゃないの? こんなところ――」
「そんなことはないさ」
蜂谷は、ぽつんとまじめに答えた。そして、そのまま顔を横に向けた。伸子は、夕飯にかえらないことをペレールのうちへ知らせるために、電話をかけに立った。
三
もう二三日で九月が終ろうとしている風のつめたい夜の九時すぎ、モンマルトルの方から走って来た一台のタクシーがペレール四七番の前でとまった。ドアがあいて、なかから、つや子、多計代、泰造、しんがりに伸子という順でおりて来て、レースのショールをかけた肩を寒そうにしている多計代をとりかこみ、四七番の入口の大きいガラス戸の中へ一人一人消えた。八時すぎると、この辺のアパルトマンの入口はしめられた。ベルを押すと、門番が玄関わきにある自分たちの住居の中でスウィッチを入れ、その人が入る間だけ、入口のドアの片扉があくようになっている。