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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

画家としての磯崎恭介の努力と、自分をすててそれを扶けた須美子の骨折りとは、恭介の生涯の終点がここにあって見れば、旧いものがその極限で狂い咲きさせている新しさと云われるものに到達するまでに、使いつくされた恭介の短い生命だったと云える。

デュト街の磯崎の住居は、葬式の前日らしい人出入りだった。伸子が着いた時、区役所からの埋葬許可証のことで、昨日は見かけなかった二十二・三の若い人が、すれちがいに出直すところだった。

「ほんとに、みなさまのお世話になって――」

伸子が来るまでに、三時間ほどよこになったという須美子は、きのうからの黒い服で、自分で自分を支えようとするようにかたく両手を握りあわせて、客間の椅子にいた。

「あんまりみなさまが御心配下さいますから、横になって見ましたけれど、とても眠れなくて……」

低い、とりみだしたところのない須美子の声だった。

「少しは何かあがれて」

「ええ、ちょっと」

伸子がそこに来ているということは、葬式準備の事務的な用事のためには何の役に立つことでもなかった。伸子は、須美子の苦しい心の、折々の止り木としてそこにいるのだった。用事がすこし遠のくと須美子は、伸子のよこへ来て腰をおろした。