Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「たった四五日のことだから、こんどは留守番しますか、姉さんにでもとまってもらって……」

つや子にしても、またジェネ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ行って、中途半端な自信なさで大人ばかりの客間から客間へひきまわされることは、気づまりらしかった。つや子は、

「お留守番する」

と答えた。

「伸ちゃん、泊ってもらえるんだろうね?」

「ええ……できると思うわ」

「おや、何だか御不承知らしいね」

みんなにはだまっているが、けさのホテルでのことがあるから、伸子は、四五日こっちへとまるとしたら、と、ホテルの荷物がどうにかなってしまわないかしら、と思ったのだった。

「よくてよ、安心して行ってらっしゃい」

何かおこれば、おこったときのことだと伸子は心をきめた。

「じゃあお父様、そうきまったんなら、切符をお願いいたしますよ」

泰造は間もなく外出し、多計代は、ゆうべよく眠らなかったといって寝室へもどった。親たちの留守、姉とだけ暮すということが気にいったらしく、つや子は機嫌よく、客間の隅にかたよせてある絵の道具をもち出した。カンヴァスの上にはつや子の性格のあらわれた強いタッチで、前景に露台のある並木越しの風景が描きかけてある。