Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

ブルヴァールをへだてた遠くに、赤白縞の日よけをさし出した一軒のカフェーがここから見えていて、つや子の絵の中にそこも入れられているのだった。

「お姉さまあ、こっちへ来てみない?」

「うん」

「ねえ、いらっしゃいよう」

「ちょっと待って」

片づけられた食堂のテーブルのところから伸子を気軽に立ち上らせないのは、やっぱり、けさのごたごたの、いやなあとあじだった。伸子は、きょうも夜になればいつもどおりモンソー・エ・トカヴィユへ帰ってゆくつもりだし、急に引越そうとも考えなかった。そんなことは、伸子としてくよくよ考える必要はないわけだった。伸子に何のひけめもあるのではないのだから。

しかし、ホテルに対する抵抗の気分は、伸子をおちつかせなくさせた。ジェネ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)行きの間だけペレールにとまるのはいいとして、そのあと、つづけてここに暮さなければならないような事情におかれては、伸子は困るのだった。それに、ここは佐々のうちのものが出立すると同時に、あけわたす契約になっている。

安定を求めて、あすこ、ここと考えめぐらしていた伸子の頭に、ふっと蜂谷良作にきいて見ようという考えが浮かんだ。