Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

七

多計代の気分がわるくなって、どうしても出発できなくなったのだった。

泰造は、病弱な妻をつれて旅をしているためにおこるそういう不便にはなれて来ていても、多計代が云った何かのことで、ひどく傷つけられているらしく、

「伸子、おっかさんを見てやってくれ」

びっくりして出迎えた娘たちにそう云ったなり、やっと客室の長椅子にたどりついた多計代の方は見ないで、外出してしまった。

体のなかに苦しいところがあって、しゃんとかけていにくいらしく、多計代は肩をおとして、片手を長椅子のクッションの上につきながら、もう一方の手で、ものうそうに帯あげをゆるめた。

伸子は、できるだけいそいで、その帯あげをとき、袋帯をほどき、その下の伊達巻や紐類をゆるめた。おはしょりがゆるんで派手な訪問着の前褄がカーペットの上にずりおちた。

つや子がいれて来た熱い緑茶を、ゆっくりひとくちずつのみながら、多計代は、

「お前がたのお父様ってかたは、いったいどこまで見栄坊なんだろう」

苦しさはそこにあるという風に、多計代は息をきらしながら云った。

「わたしの健康より、浅井さん夫婦に気がねをする方が先なんだから、あきれたもんだ。