Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
八
大形トランクやスーツ・ケースが壁の下におかれていることは、日頃見ているとおりだったが、二つ並んでいる寝台の間にはさまれて立っている枕もとの小テーブルの上は、スタンドのほか何もなく、きちんととりかたづけられている。いつもはその上に、狭いばかりごたごたと、ものがおいてあるのに。
多計代が、そのように始末して出かけたのはめずらしかった。そろそろ着ているものをぬぎながら、何となしその枕もとの卓のあたりに目をやっているうちに、伸子は、あ、と思いついて、頭からぬぎかけているスウェターの、毛糸の匂いのするなかで目を見ひらいた。いつもはそこに保の分骨を納めた例の錦のつつみものが置かれていたのだった。そして、そのまわりにセイロンの象牙でつくった象の親子だの、金糸とビロードでこしらえた花かごだのが、飾られていたのだった。
そういえば、多計代はけさ家を出るときコバルト色に朱を細い縞にあしらった自分の旅行バッグを手からはなさなかった。多計代はジェネ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ保をつれて行ったのだ。あすこに保がいれられていた。
それにつれて、須美子が買った二つの同じ型のカバンの用途が、いちどきに伸子にのみこめた。