Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

十

――つや子と伸子しかいないペレールの家こそ、そのような休息にふさわしい場所だと思えた。

伸子は、その午後、デュトまで迎えに行って須美子をペレールへつれて来た。そして、一休みしてから、ガスに火をつけて、風呂をつくった。

日本流の、こんなもてなしかたを須美子は心からよろこんだ。

「きょうはいい日ですわ。こんなにして頂くし、入選のこともわかりましたし……」

恭介が死ぬ一日二日前に、自分で搬入した静物がサロン・ドオトンヌに入選した。そのことがけさわかった。同時に、須美子の作品も入選していることがしらされたのだった。

「わたし、磯崎が描いたお古の花を窓ぎわにおいて、描いてみただけだったんですのに……こんどはめずらしく磯崎がしきりにすすめて、自分でもって行ってくれましたの」

だまっていようとしてもつい須美子の話題はそこにたちかえるという風だった。

「どうしてだったんでしょう。わたし、あの花を描いていたとき、ちょくちょく、ホノルルのころを思い出しましたわ」

須美子は、いつだったか伸子に、ホノルルの一ヵ月が生涯で一番幸福なときだったのかもしれないと云ったことがあった。