Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
六
国際列車が北停車場のプラットフォームにとまると、背広を着た陸軍少佐の藤原威夫は素子の先にたって、佐々一行の乗っている車室を見つけ、手まわりの荷物の世話をやき、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)では数が少くてつかまえるのに困難なタクシーまで、あらかじめ準備した。こんなあんばいで、わたしのしなければならなかったはずのことをみんなやって貰えて、大いにたすかったわけだけれども、と素子のこまかいペンの字が、原稿用紙の枠をはずして語りつづけていた。お母さんは、初めっからモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)では大使館へ行かず、藤原氏のところへ行く予定でいられたのだろうか。多計代だけが大使館へ行く佐々泰造やつや子その一行の人々と停車場でわかれ、藤原威夫の自動車にのって、彼の住んでいる室へ行った。そして、その夜、シベリア鉄道へのる日本人の一行がボリシャーヤ・モスコウスカヤ・ホテルで会食する時間が来るまで、多計代はずっと藤原のところにとどまっていた。多計代の行動について素子は言葉すくなく報告を結んでいる。お父さんがついて居られてのことなのだから、わたしが、とやかく、くち出しすべきでもないと思ったから、と。