Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
前の日、かえりぎわに、ふと野沢が云った。あしたは僕の誕生日だから、臥てさえいなければ、三人で御飯でもたべたいところなんだがな、と。――残念そうな野沢の声には、ひとりきりで臥ていなければならない彼の、単調さにあきた響があるようだった。立ちかけていた伸子は、その感じにひかれた。ちょっと足をとめて思案していた伸子は、わきの蜂谷に、
「蜂谷さん、あしたの夕方、お忙しい?」
ときいた。
「いいや」
「じゃあ、こうしてはどうかしら」
三人で輪になって協議するという風に伸子が提案した。
「野沢さんは動いちゃいけないんだから、わたしたちで動いて来ましょうよ、その案はどう? そして三人で、お誕生祝のおかゆをたべましょうよ、わたしがここでこしらえるわ」
「誕生祝のおかゆっていうのは――風変りな思いつきだな。しかし御迷惑をかけちゃいけない」
「平気だわ」
伸子は、
「ね、蜂谷さん」
あいまいに立っている蜂谷にたしかめた。
「そうしましょう、ね」
次の日の四時半に伸子がクラマールの停留場に近い蜂谷のところへよって、それから来る約束になった。
鍋とくみ合わせになっているアルコール・ランプ。