Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

――伸子は、このすべてがここであるままに、素子に話せようと思えないのだった。

あくる朝、ベルネの家の朝飯がすむとすぐ、伸子はクラマールの郵便局へ行った。そして、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の素子へ電報をうった。ブ コアヤマル キゲ ンナオセ モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)デ オコツテイルトアタマニワルイ。素子の不安の動機には伸子の責任がある。伸子はそれをすなおにみとめずにいられない。だけれども、素子が苦しんでいるからといって、伸子はどんな風に自分のコースを曲げるとも考えられないのだった。それらの点について、伸子は素子にごめんなさい、というこころもちだった。

十六

ことわりなしで、蜂谷良作がおきまりの講義に来なかった。あくる朝になっても、おとさたがなかった。

伸子は、どうしたものだろう、と思った。考えてみれば、彼の下宿先は、年をとって孤独な画家未亡人の二階で、ちょっと気軽に使いをたのめる人も、そこの家にはいないわけだった。そとでは、冬のはじめの雨が降っている日だった。散歩がてら、蜂谷の下宿へよってみる気で、伸子はひる前にベルネの家を出た。