Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
「そうだと云えると思うわ――あなたよりも」
蜂谷はおきあがっていた上体を倒して枕の上に頭をおとした。伸子は、やがて外套をきた。そして、パジャマの両腕を目の上にさしかわして顔を覆っている蜂谷を寝台の中にのこして、廊下へ出た。
十七
翌朝、ベルネの家の朝飯が終って、伸子が二階へあがろうとしているところへ、蜂谷良作が来た。
彼は、伸子を見ると、
「きのうはほんとに失敬した」
手をさし出した。
「おこって、もうパリを立つ仕度でもはじめているんじゃないかと思った」
伸子は、だまったまま眼をしばたたいた。
「すこし歩きましょう、僕はどうしても、きみにわかっておいて貰わなければならないことがある」
「――だって、病気は?」
「かまわない――いいんです」
雨あがりの快晴で、ベルネの家の落葉した庭も初冬の趣をふかめた。伸子と蜂谷とは、クラマールの人々がそれぞれに働いている午前の街なかをさけて、畑へ出てから森へ向う道をえらんだ。
「僕はあれから、ずっと考えていて、やっとわかったことがある。僕は、佐々さんというひとの本質を、実はきのうまでちっとも理解していなかったんだ。そういうことが、つくづくわかった」