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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

あいまいなまま何かにひかれている伸子の態度のよくなさが、悪意も計画もない蜂谷の言葉でまざまざそこに描かれた。

「僕はもう決して佐々さんの困るようなことはしない。それだけは自信がある。――だから、せめてことしいっぱいパリにいることにして」

それは伸子にできないことだ。それよりも、蜂谷に、自分が、そんな女としてあらわれているということの恥しさ。――恥しさは、このひとつきほどのパリ生活間に、蜂谷ともたれたさまざまな情景における伸子自身の姿を、全く別の光で照し出すのだった。

十八

モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の素子から、伸子の手紙への返事が来た。「ブジシンパイスルナ」と。うすいグリーンの用紙に、クラマール郵便局の電信係がかきつけたローマ綴の電文は、いかにもフランス人らしいおかしなまちがいで区切られている。スルナのはじまりのSの字を、パイPaiのおしまいへくっつけて、Paisとかいてある。まだ佐々のうちのものがパリにいた時分、ペレールの家へ磯崎恭介の死去をしらせた電報をうけとったとき、ギリシャ語のようにスケシスと綴りちがえされていたように。

素子からの電報がベルネの二階の伸子の机の上におかれてある。