Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
――そのことは伸子によくわかる。
伸子は、悲しさを抑えた眼で素子を見た。
「どうする? パッサージできいてみる?」
「あわてなくったっていいさ」
強いて椅子の上で体を重くしている声で素子が云った。
「でも、そのときになって、部屋がないと困ることよ」
「あすこは、そんなことないさ」
「どうしてわかる?」
モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)で何か全ソヴェト的な規模で集会がもたれるような時、ホテル・パッサージは、一室に四つの寝台を入れて人々を泊めていることさえあった。
「われわれが、何をしたっていうんだ、ばかばかしい!」
白眼がつよく光る視線で素子は伸子を見た。
「ぶこまで一緒になって、あわてる必要がどこにあるんだ」
不安が伸子の心を掠めた。素子は、いつものでんで、ルケアーノフに対して居直れば、引越しがのばせるような気でいるのではないだろうか。ソコーリスキーのところで伸子たちが借りたばかりの室を急に居どころを変えた保健人民委員にとられて、ルケアーノフへ来た時の事情と、このさし迫った引越しとでは、全然たちがちがう問題なのだった。
「――ともかく、あしたパッサージへ行ってみるわ」