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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

ちっとも政治的なところのないひとだけれど」

伸子は、どうしてだか、その美しい人というのに出会ったことがなかった。けれども、素子から噂をきき、ラデックの政治的な立場を思いあわせると、同じくらい美しいにしても、いまの細君がレイスネルとは全くちがった性格の婦人であるだろうということは推察がつくのだった。

そのようにして、その内部ではさまざまな種類の生活が営まれているアストージェンカ一番地の建物から伸子たちの荷物が運び出されたのは、十日という期限、ぎりぎりの前日だった。その日伸子は午前に一度、午後早くに一度とパッサージへ出かけた。二度目に行ったとき、伸子は三時間事務所の壁ぎわの長椅子で室のわりあてられるのを待った。

七

毎晩十二時に、クレムリンの時計台からインターナショナルの一節がうち出される。その響きがまた夜空を流れて伸子たちの室の窓辺にきこえるようになった。

パッサージに住めた伸子の安心は、思いがけない楽しさでゆたかにされた。偶然、もと住んでいた七四番の、ひろい部屋がとれたのだったが、一九二八年の冬から春にかけてそこに暮したとき、伸子が最初のモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の冬景色としてみていたのは、荒涼とした廃墟の鉄骨とそこに降る雪の眺めだった。