Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
車道のところを、数丁さきの作家クラブの正門まで、列にそって三騎の騎馬巡査が、しずかに行ったり来たりしている。列は、一歩ずつ動いていて、昔ソログーヴの邸宅であった作家クラブの建物をとりかこむ低い塀のそとまで来たとき、一番びりだった伸子たちのうしろに新しい列がつづいて、クードリンスカヤの角までのびていた。
段々列は動いて、作家クラブの正面に入りかかったとき、伸子たちの前にたった一人で来ている若い娘が、迫って来る感動をおさえかねたようにため息をついた。そして伸子たちをふりかえり、哀傷と追慕で柔かく沈んだ声音で、
「あなたマヤコフスキーの詩をよんだでしょう?」
ときいた。
「ええ」
「彼はすばらしい詩人でした」
そう云って、鈍い色のプラトークで頭をつつんでいる若い娘は胸のいっぱいになった眼を門内の光景にひきつけられた。
作家クラブの建物の正面真白な大玄関の柱列には、十数流の黒と赤との長旗が飾られている。今夜の告別式のために二ヵ所にとりつけられた照明燈の強い光が、黒い列のうねっている冬枯れの内庭をてらし出した。列が内庭にはいると、むこうの建物の広間に燈火がきらめいているのが見え、ガラス越しに、明るい燈の下を粛然と動いている列までが見える。