Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

そこに日本のふるい革命家である山上元が住んでいた。山上元がそこにいることは公然の秘密のようなもので、新聞記者である比田礼二が会ったことをきいていた。

伸子はホテル・リュックスに電話をかけた。そして、山上元と話せるかどうかをきいた。じき、山上元の声がした。

「あーあ。もし、もし」

いくらかせっかちな、元気のある年よりの声だった。

「わたしは佐々伸子ですが――」

くどくど自己紹介をしていたら、まどろっこしがられそうで、伸子は直接法に、

「お目にかかることができるでしょうか」

ときいた。

「いいよ。来なさい。いつ来るね」

「これからでもいいんです。いま、パッサージからかけているんですけれども」

「じゃあーと、二時四十分に待っていることにしよう」

伸子は、あわてたようにおっかけて、すこし声をつよく念を押した。

「わたしが上るのは、なにも特別な用じゃないけれども、かまいませんか」

「そんなことは、かまわない。――二時四十分。わかったね」

山上元は、伸子がリュックス訪問について知っていなければならない一つ二つのことについて教えて、電話をきった。

受話器をかけてから、伸子はちょっとの間その廊下の角にたたずんでいた。