Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
その云いかたは、どこかいっこくらしく「自伝」で伸子が感じている率直な親しさがあった。
「どうぞ、ごゆっくり。いそがないから」
イタリー風の出窓とよばれる三面ガラスのひろい出窓のよこに、白布のかかった角テーブルがあり、その奥の壁につくりつけて二人がけの長腰かけがある。伸子は、その隅っこへ自分をおちつけた。
もちよく着古された柔かな皮のジャンパーを着た山上元は、はじめっからタイプライターの前から立たずに伸子と口をきき、それなりまた仕事に没頭してタイプをうちつづけた。伸子の口元が思わずゆるんだ。山上元のタイプのうちかたは、どうやら指のはこびがぎごちないような響をもっているくせに、いかにも力がはいっていて、紙のうしろへ字がぬけそうにパチ、パチ、パチパチと大きな音でうたれるのだった。
出窓のところに、形のはっきりしない、そこに何がはいっているのか、何のために必要なのか外来者にはわからない品々が、いろいろ置いてあった。それは、どれも事務用のものではなくて、家庭的な用途をもっていることだけは察しられる。出窓に一本綱がはりわたされていた。そして、無頓着な風で、そこに婦人用の靴下がほしてあった。