Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

気がねなしに、ぬいだり着たりすることは伸子にとって新鮮なくつろぎだった。

そういうある朝、二人きりの、のんきな時間で伸子と素子とが茶テーブルに向いあったとき、ドアがノックされた。何となし、ききなれないノックの音だった。伸子と素子とは、目を見合わせた。

「お入りなさい」

素子の声といっしょにドアがあいて、姿を現したのは、ベルリンの川瀬勇だった。

「やあ――いま、お茶かい?」

まるで、ついそこから来たひとのような調子で、川瀬は、あいている長椅子のところへ行ってかけた。

「その後、いかがです?」

「そっちこそ、どうなのさ」

「うん、まあ、相変りつつ、相変らずってところだな」

「中館君は日本へかえったらしいね」

「ああ。結局帰ることにしたんだ。――その方がいいと思うだろう?」

伸子たちがベルリンに滞留した去年の初夏、中館公一郎は川瀬勇などのグループにまじっていて、映画監督として新しく生きる方法について、いろいろの問題を悶んでいた。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ歌舞伎が来たとき、中館もモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)にいてソヴキノの仕事ぶりを研究したりもした。