Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
伸子は、二人きりになって、ますます困惑した。だまったまま、テーブルの上にひろげられている刺繍を片づけはじめた。ゆっくり動いている伸子の上に、素子の視線が釘づけになっている、それを伸子は重苦しい疼痛の斑点のように、自分の肉体に感じた。
とりちらされたテーブルの上が殆んど片づいたとき、素子が伸子にきいた。
「ぶこ、行くんだろう」
きょう三時に来るようにという山上元のことづてをまもって、行くのだろう、という意味だった。
「行こうと思う」
素子の不快そうな、こわい顔におじけづかないように、自分をはげましつつ、伸子は、テーブルのわきに立って、返事した。
「話をしなくて、ごめんなさい」
――しかし、この間、ひとりで山上元に会いに行ってしまったことが、ほんとうの意味で素子にあやまらなくてはならないことなのかどうか、伸子にはっきりしなかった。伸子が、山上元に会って見ようと思いはじめ、それをひとりで実行した、その心もちの過程には、何か伸子だけのひそかな動機――伸子自身にさえ明瞭になっていない動機が熟していたのだった。マヤコフスキーの自殺や、第二芸術座の「チュダーク(変り者)」