Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
伸子が、ついそのとき自分の靴を買いそびれたほど買いての横暴な風俗だった。
パリジェンヌは、いつも黒を上手につかうことを知っている、とそれが日本の花柳的な粋に通じるパリ女の粋な趣味のように語られるのを伸子はきいたりよんだりして来た。だけれどパリには、パリの男の鳥打帽と同じ意味の女の黒い服もある。――彼らが利子生活者ではなくて、日々の労働で生きているものであることを示す男女の身なりとして。
一九二九年の三月から以後フランスでは生計費があがって、物価のやすい、暮しいいパリでなくなった。
「肉類や玉子、バタのようなもの、お豆やじゃがいもなんかが随分、ここのところであがりましたわ、ね」
磯崎須美子が、若い良人に賛成を求めるように、おだやかないつもの云いかたで云うのだった。
「わたしたちには不思議に思えますけれど――小麦なんか、かえってことしはやすくなっているっていうんですのにパンもあがって――。ここでとれるものの方が高くなりましたのよ」
「われわれみたいな、貧乏画描きにはどうして、こたえますよ。家族というものがありますしね」
恭介たちはこんどの子供が生れたについては、四つになる上の子を、デュトの家のマダムの世話でフォンテンブローの近所の田舎家にあずけているのだった。