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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

来ているのだった。その間には弟の自殺ということもあった。伸子の心には、その人たちの気持とちがう多くの要素がある。伸子がパリの生活を経験することでもし何かを学ぶことができるとすれば、それはつづまるところ、伸子が伸子として生活と心のなかにもって来ているそのみんなとちがうと自覚されている何かを追究すること以外にありようなく思えるのだった。

名刺をもらって二三日たった晩、素子が化粧台のところで、

「これ、ほったらかしといて、いいのかい?」

名刺を指にはさんで、伸子にふってみせた。紫がかった臙脂色にこまかい模様のある、やすものの部屋着をきて、寝台に腰かけている伸子は、

「――どうする?」

と、素子を見てききかえした。

「わたしは失礼しちゃおうかと思うんだけれど、わるいかしら……」

素子は、そういう伸子の顔を暫く眺めていたが、

「ぶこちゃん次第さ」

と云った。

「わたしね、反抗しているのよ、日本の人がこれまでパリとかフランスとかいうと、いやにディレッタントになっちゃって、それが通みたいになっているでしょう。わたし、それじゃちがうと思うの。曲線一つくらべてみたって、フランスは鋼の唐草だと思うわ。