Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

「こんや?――急なのねえ」

「なに、急でもないんでしょう」

そのとき、また下から登って来た人のために内海は手摺の方へ体をよけながら、すこし声を低めた。

「この間っから、たのまれていたことだったんでしょうがね」

二三年前ポリニャークが日本へ来た時、無産派の芸術家として接待者の一人であった秋山宇一は、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来てからも比較的しげしげ彼と交際があるらしかった。その間に、いつからか出ていた伸子たちをよぶという話を秋山宇一は、さしせまったきょうまで黙っていたというわけらしかった。伸子は、

「吉見さんはどうするって云っていました?」

ときいた。伸子としては、行っても、行かなくてもいい気持だった。ポリニャークは日本へも来たことがあるというだけで、作家として是非会いたい人でもなかった。

「吉見さんは行かれるつもりらしいですよ、あなたが外出して居られたから、はっきりした返事はきけなかったですが――つまりあなたがどうされるか、はね」

「すみませんが、じゃ、一寸いっしょに戻って下さる?」

「いいですとも!」

伸子は、室へ入ると買いものの網袋をテーブルの上へおいたまま、外套をぬぎながら、素子に、