Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)のバスは運転手台のよこから乗って、順ぐり奥へつめ、バスの最後尾に降り口の畳戸がついていた。いくらかずつ降りる乗客につづいて、伸子たち四人も一足ずつうしろのドアに近づいた。
「あなたがた来られてよかったですよ」
秋山宇一が、白いものの混った髭を、手袋の手で撫でるようにしながら云った。
「大した熱心でしてね、今夜、あなたがたをつれて来なければ、友情を信じない、なんて云われましてね――どうも……」
今夜までのいきさつをきいていない伸子としては、だまっているしかなかった。もっとも、日本文学の夕べのときも、ポリニャークはくりかえし、伸子たちに遊びに来るように、とすすめてはいたけれども。――
とある停留場でバスがとまったとき内海は、
「この次でおりましょう」
と秋山に注意した。
「――もう一つさきじゃなかったですか」
秋山は窓から外を覗きたそうにした。が、八分どおり満員のバスの明るい窓ガラスはみんな白く凍っていた。
乗客たちの防寒靴の底についた雪が次々とその上に踏みかためられて、滑りやすい氷のステップのようになっているバスの降口から、伸子は気をつけて雪の深い停留場に降り立った。