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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

――

「ねえ、プロレタリア作家って、ほんとうはどういうの?」

伸子に訳してきかせたあとを一人でよみつづけていた素子が、

「――どういうのって……どういう意味なのさ」

本の頁から顔をあげずにタバコの灰を指さきでおとしながらききかえした。

「何ていうか――規定というのかしら――こういうものだという、そのこと」

「そんなことわかりきってるじゃないか」

すこし気をわるくしたような声で素子が答えた。

「労働者階級の立場に立つ作家がプロレタリア作家じゃないか」

「そりゃそうだけれどさ……」

革命後にかきはじめた作家のなかには、プロレタリア作家と云っても、偶然な理由からそのグループに属している人もある、と伸子には思えた。

「ポリニャークなんかもそうじゃない? 革命のとき、偶然金持ちでない階級に生れていて、国内戦の間、ジャガ薯袋を背負って、避難列車であっちこっちして『裸の年』が認められたって……プロレタリア作家って文才の問題じゃないでしょう?」

「だからルナチャルスキーが気をもむわけもあるんだろうさ――前衛の眼をもてって――」

伸子は、ひょっと、自分がもし日本から来た女の労働者だったら――工場かどこかで働くひとであったら、同じ事情のもとでポリニャークはどうしただろうか、と思った。