Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

演出の上でルカがそのように理解されたことは、「どん底」の悲惨に一層リアルな奥ゆきを加えて観衆に訴えた。少くとも伸子の印象はそうだった。

「ゴーリキイのロマンティシズムが或るとき過剰だったということは、もちろんわかるさ。チェホフが云ったとおりに。しかしね、『母』だけが革命的ロマンティシズムで立派であとは小市民的なロマンティシズムだって、そんなに簡単にきめられるかい?」

素子は、何かに反抗するような眼つきをして云った。

「『母』のテーマは革命的であり、英雄的である。したがって、そこにあるのは革命的ロマンティシズムである。――それだけのもんかね」

京都風にうけ口な唇にむっとした表情をうかべて素子はおこったように、

「メチターってどういうものなのさ。え? 人間の心に湧くメチターってどういうものなのさ」

憧れ、待望をあらわすその言葉を、響そのものの調子が心に訴えて来るロシア語で、つよく、せまるように素子は云った。きょう目貼りのとれた窓からきこえるようになった早春の夜の物音が時々のぼって来て、月のない空にフラム・フリスタ・スパシーチェリヤの金の円屋根がぼんやり浮んで見えている。