Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
五
ニューラは台所の入口に立ってショールをぬきながら無言でにこりとしたぎりだった。
五
あくる朝、ニューラはいつもどおり茶道具を運んで来た。そして丁寧に腰をかがめるような形で急須や水色ヤカンを一つ一つテーブルの上へおくと、関節ののびすぎた両方の腕を、いかにも絶望的にスカートの上へおとして、
「オイ! わたし、不仕合わせなことになっちゃったんです」
呻くように、
「オイ! オイ!」
と云いながら胸を反らし、両腕で、つぎのあたった茶色のスカートをうつようにした。その動作は、いつか赤い広場のはずれで素子が物売女の顔をぶったとき、仰山な泣き真似をしながら物売女がオイ! オイ! と大声をあげたそのときの身ぶりとそっくりだった。
「どうしたのさ、ニューラ」
ニューラの大袈裟な様子をいやがるように素子がきいた。
「盗まれちまったんです! オイ!」
「なにを盗まれたのさ」
「洗濯ものを。――ゆうべ乾した洗濯ものがみんな無いんです。盗まれたんです」
「ゆうべ乾したって……」
素子が、おどろいた顔を伸子にむけた。
「ぶこちゃんが一緒に行ってやった分のことかい?」
「ニューラ、落付きなさい。