Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

終日浮々したガルモーシュカの響がきこえ、笑い声や仲間を呼んで叫ぶ声々が大公園にこだました。伸子はそういう日は公園へ出てゆかず、パンシオンの古いヴェランダにいた。そして、自分をみたしている悲しさと全くあべこべでありながら、不思議な慰めの感じられるよろこばしげなざわめきに耳を傾けた。

伸子がいるパンシオン・ソモロフのヴェランダから、ひろい通りをへだてた向い側に、大公園のわきの入口の一つが見えていた。楓の枝が房々としげった低い鉄柵のところに、桃色と赤とに塗りわけられたアイスクリーム屋が出ている。日曜日にだけ商売する屋台だった。その前で、二人の若いものが何か論判していた。コバルト色のスポーツシャツを着たいかにもコムソモール風な若者と、黄色と黒の横だんだらのこれもスポーツ・シャツで半ズボン、ズック靴の若者が議論している。往来の幅がひろいから伸子のいるヴェランダのところまで、二人の声はきこえなかった。何か言いながら力を入れてむき出しの腕をふったりしている動作だけが見えた。そのうちに黄色と黒の横だんだらの方の形勢がわるくなって来たらしく、その若者は、返答につまるたんびに頭の上にちょこなんとのっかっている白いスポーツ帽をうしろから前へつき出すようにしては喋っている。