Japanische Klassiker mit Furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme
そのままの距離で二人は二三歩あるいて来ると、派手な水色で胸あきのひろい服をつけたエレーナ・ニコライエヴナがわざとらしくはしゃいだ調子で、
「まあ思いがけないですこと!」
と、明らかにヴェルデル博士だけを眼中において近づいて来た。
「お邪魔いたしましたわね」
ヴェルデル博士は、黒いソフトのふちへちょっと手をふれて、技師へ目礼し、いつものおだやかで真面目な口調に苦笑しながら云った。
「誰が誰の邪魔をしたのか、私にはわかりかねますな」
伸子たち三人はそのまま帰り道へ出てしまった。その間技師は少し顔をあからめたまま、ひとことも口をきかなかった。
「男の方があわてたのさ。エレーナなんか、どうせ出張さきのひと稼ぎの気でいやがるんだ」
二人きりになると、素子は憤慨して云った。
「あんまり人を馬鹿にしているじゃないか、あんな感じのいいちゃんとした細君をわきへおいときながら、その鼻っさきで――甘助技師奴」
夜のお茶にパンシオン・ソモロフの人々がみんなテーブルについたとき、素子がとなりのリザ・フョードロヴナに、誰でもする会話の調子で、
「きょう散歩なさいましたか」
ときいた。
「いいえ」