Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

ロシア語のできない吉之助に素子が云った。

「パジャーリスタ、オムレツ。パジャーリスタ、カツレツでやっていますから、大丈夫です」

艷のいい顔を吉之助は屈托なさそうにほころばした。

「オムレツとカツレツだけは日本と同じらしいですね」

吉之助は用事があって来たのだった。あした朝のうちにメイエルホリド劇場俳優のガーリンが吉之助にあいにホテルへ来る。歌舞伎の演技のことについてじかにききたいことがあるのだそうだ。素子か伸子に通訳をしてくれるようにということだった。

「じゃ吉見さんでなくちゃ。わたしのロシア語なんて、長原さんのオムレツに二三品ふやしたぐらいのところなんだから」

「――わたしはいやだよ」

素子はかけている長椅子の背へもたれこむようにして拒絶した。

「芝居の話なんて出来るもんか」

芝居ずきで、俳優一人一人の演技についてもこまかい観賞をしている素子が、通訳なんかいやだという気持は、伸子にわからなくもなかった。ガーリンは『検察官』のフレスタコフを演じたりしてメイエルホリドの若手の中で近頃著しく評判になっている俳優だし、一方に吉之助がいることだし。

そんなこころもちのいきさつを知らない吉之助は、当惑したように慇懃な調子で、